第27回美人画研究会 報告


■第2720211128日 <森下会場・クリエイティブタイプ>

 

 リアル開催を見合わせていたため9ヶ月ぶりの開催でした。

 クリエイティブ会は『絵を描いてくる会』だから参加しずらい、という声があったため、作品を描いてくるクリエイターと作品を見るレビュアーが、その作品について気楽に意見交換できる場となりました


第27回の募集プログラムはこちらでした。


<Part1>発表・紹介コーナー

 

1)まず私・松永伸子が師事している画家の村田旭先生を紹介しました。村田旭先生水彩+パステルの混合技法で油彩に負けない絵画を描き、ヨーロッパなどの個展でも人気の作家です。

 村田先生のモットーは、「見た人が幸せになる絵を描くこと」です。

いつもの空間に絵画を置くだけで、その部屋がパッと明るくなる。まるでそこに光が差し込み、あたたかな幸福感に包まれるかのように…

 そして技法は水彩+ジーザスパステル、油彩の混合技法という独自で開発されたミックスメディアのテクニックです。先生の作品と技法をスライドで紹介いたしました。

 

2)次にアカデミックタイプの会主宰の畑江麻里さんが、最近訪問したSOMPO美術館の川瀬巴水展、岡山県の竹久夢二郷土美術館・生家記念館・少年山荘を紹介されました。巴水は鏑木清方門下の美人画画家でしたが、30代で一転新版画デビューし、情緒的な風景版画はアメリカでの展覧会の成功で多くのファンを獲得しました。

 

3)研究会にもご参加いただき、美人画の画家としても有望株の河合直樹氏井手晴海氏のお二人に、最近出品した展覧会作品を紹介していただきました。

 河合さん2年前より公募展の日象展や独立展に出品され、新人賞獲得や連続入選を果たしています。水で溶ける油彩DUOを使用して独自のテーマに沿って描かれた作品は、テーマを表象する様々なモチーフが散りばめられ、謎解きの楽しさがあります。

 井手さんは舞妓さんや和服の女性を繊細な色鉛筆で描く美人画で個展の準備中ですが、「アートフェスタin渋谷」「漫画家たちのアート展」などの展覧会で作品を販売されました。作品をお嫁入りさせる嬉しさと手放す寂しさという複雑な心境や、絵に込めた自分の想いを話されました。

 

左より1枚目 河合直樹 『振り返る時』 2021年独立展入選作品

2枚目 井手晴海 『京舞妓』アートフェスタin渋谷2021出品作品

3枚目 井手晴海 『美しき人』アートフェスタin渋谷2021」出品作品


<Part2>作品提示と討論コーナー

今回のテーマは「かわいい」をスパイスに描く美人画です。
日本語の「かわいい・可愛い・カワイイ」は、もともとの意味を超えて様々な魅力ある事柄を表現できる言葉です。多様な「かわいい」をご一緒に発見することを目的に、以下のような形式で行いました。

①自分の絵を持参したクリエイターが一人ずつ参加者の前に提示する。

 

②レビュアーの皆さんがその作品を見た印象や感想を発言する。特にどんなところに「かわいさ」を感じたかを伝える。

 

クリエイターが、どんなところを意識して「かわいい」を表現したかを発表する。

 

 

★クリエイターの意図した「かわいい」とレビュアーの感じる「かわいい」は一致したでしょうか?「かわいい」を美人画に加えるメリット・デメリットはどんなことでしょうか?


こちらの作者は上段左から順に

田中晃、宇田川のり子、斎藤忍、

松永伸子、河合直樹、城戸崎雅崇、

井手晴海、吉村眞由美、東観崎繚

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