第26回美人画研究会 報告
2021年2月28日(日)
Zoomによるオンライン併用で「美人画研究会」を開催いたしました!
今回初めて、映画監督・山﨑達璽氏(母校日芸映画学科の大先輩)をお招きし、
写楽をモチーフにした映画『宮城野』を制作する上で、正体が掴めない浮世絵師を
映画の中でどう描いたかをお話していただけることとなり、ご登壇が実現しました!
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研究会では、まず私、畑江麻里が「浮世絵美人からアニメへ」の第一弾として、
今回は浮世絵美人に重きをおいて、浮世絵師によって美人の描き方の違いをご紹介しました。
明治時代に「美少女」という言葉ができ、多くの美少女雑誌が刊行されたこと、さらに、
現代のアニメにおける美少女の表現は浮世絵美人から通じることをお話しました!
次に似顔絵TVチャンピオンであり、CGアーティストでもある斎藤忍氏に、絵を描く立場から
浮世絵とアニメについて語って頂きました!
斎藤氏は共通点を、西洋画の描き方との違いから説明くださいました。また、デフォルメの
魅力についても、似顔絵、西洋画、浮世絵(写楽)から例を挙げて解説され、浮世絵の
顔幅がかなり狭いのは、西洋画では影として描く部分をカットしてしまったからかもしれない、
とされたのは、とても興味深かったです。
浮世絵を題材としたアニメ作品も多数ご紹介くださったのですが、会場のWI-FIの力不足のため音声が出力できないというアクシデントもありました。参加の皆様からとても変勉強になったとのお声を多数頂けたので良かったです。
山崎監督は、若くして監督作品が認められてカンヌ映画祭デビューをした天才肌ですが、
なかなか聞くことがない映画の裏側やご自身の経歴などを楽しく話して下さり、
会場がかなり盛り上がりました。また、今回取り上げた『宮城野』で描いた写楽については、
写楽=斎藤十郎兵衛説が有力であるが正体がはっきりと掴めない。これは面白いテーマである。
最近放送された大河ドラマの明智光秀を描く際に、光秀=天海説を暗示させる場面が多数
あったがみんなは気づいたか、など、普通では気づかないようなところを教えて下さいました。
「映像表現は具体性の極みだ」、という監督の作品を改めて鑑賞したいと思いました。
研究会の最後には、現代浮世絵彫師・朝香元晴氏と宣伝部の方のご厚意で、写楽の
「宮城野」をはじめとする作品と浮世絵美人の浮世絵版画を展示していただき、
参加の皆さんと鑑賞しました。
後日3月3日(水)には映画『宮城野』の上映会があり、山﨑監督のご厚意で
美人画研究会参加者は無料ご招待いただきました!
※映画『宮城野』は、Amazon プライム・ビデオで配信しておりますので是非ご覧下さい
【日時】2021年2月28日(日) 13 : 30~16:30
13:30~13:40 主宰者挨拶
畑江 麻里 司会・松永伸子
13:40~14:20 「浮世絵美人からアニメへ―美少女表現に着目して―」
畑江
麻里(美人画研究会主宰)
14:20~15:00 「絵を描く立場から分析するアニメと浮世絵のあれこれpart 1」
斎藤 忍(似顔絵TVチャンピオン)
15:00~15:20 休憩/ディスカッション
15:20~16:00 「正体が掴めない浮世絵師を映画の中でどう描くか?」
山﨑 達璽(映画監督)
16:00~16:30 浮世絵鑑賞会(複製)
東洲斎写楽「宮城野」他、鑑賞 解説・畑江 麻里
【参加費】
●オンサイト会場【定員25名予定】:参加費1,500円(資料代込) 当日2,000円
●オンライン会場【Zoomでの参加】:
参加費 1,000円 ※資料は郵送またはE-mailでお送りします
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